みど情

雑学の箱

業務と関係あるorない小話や、備忘録的なものを溜めておく箱です。

2015-08-03・植物の話

かんぞう・甘草・萱草・わすれぐさ

読みが同じカンゾウなので、ときどき混同されている植物に関する蘊蓄編です。

甘草(カンゾウ)…漢方薬に使われるのは、こちら。

ウラルカンゾウ。重要な薬用植物

マメ科。花は紫色。
日本には、自生していません。
中国東北部からモンゴルあたりに分布するウラルカンゾウと、ユーラシア大陸に広く分布するスペインカンゾウの2つが、生薬として利用できます。
漢方薬へ使われるのは、おもにウラルカンゾウの方。
厚生労働省「一般用漢方製剤承認基準」(H23告示)には、263処方が載っておりますが、そのうち191処方くらい、実に73%にカンゾウが配剤されます。
(カンゾウを使っても使わなくても承認される処方があるので若干幅があります)
医療用医薬品や食品の甘味料(刺身醤油とか、リコリス菓子とか)にも、甘草が使われています。


萱草(カンゾウ)…野山に咲いているのは、こちら。

ヤブカンゾウ。平地・八重・昼咲き

ヤブカンゾウ(藪萱草)やノカンゾウ(野萱草)、ハマカンゾウ(浜萱草)など、ヘメロカリス Hemerocallis 属の総称です。
別名、ワスレグサ。「萱草」の訓読みです。
ヘメロカリスは、「1日の美」を意味し、個々の花の寿命が1日(一日花)であることを表しています。
ユリ科あるいはススキノキ科(またはキスゲ科、ワスレグサ科)
*長らくユリ科とされてきた植物群の再分類が今盛んです。その話はまた機会を改めて…

ノカンゾウ。平地・一重・昼咲き

花は赤~オレンジ~黄色です。園芸品種には紫色とか白もあります。
は、わすれるの意味との由。中国では忘憂草とも。青い花のワスレグサとは無関係
きれいな花を眺めていると憂いを忘れるのか。それとも食べると美味しいので憂いを忘れるのか…?笑
金針菜は、中国にあるホンカンゾウのつぼみです。ヤブカンゾウやノカンゾウのつぼみも食べられます。特にヤブカンゾウは八重咲きで、ボリューミーでオススメ。
春、地面から出てきたばかりの若苗も美味です!

キスゲ(ユウスゲ)高原の花。夜咲き

立原道造の詩にしばしば登場する萱草(わすれぐさ)は、キスゲ(黄菅、別名ユウスゲ=夕菅)と考えられます。
本州中部では海抜1,000mほどの高原、原野にみられます。
夕方から翌朝にかけて開花する夜咲きで、花はレモンイエロー、ほのかな芳香があります。儚げな姿が詩人の印象と重なりますね。

もう少し高い山地に群生して、オレンジイエロー昼咲きのニッコウキスゲ(別名ゼンテイカ)は、ワスレグサと呼ばれることはあまり無いようですが、呼んでも別に間違いではないでしょう。
では、ごきげんよう。^^

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